現在、起業の手続き自体は書類を準備し、税務署に提出するだけで無料で簡単に行うことができます。
そのため、起業のハードルは下がっています。
しかし、中小企業庁が過去に発表した統計では、独立後3年経っても倒産せずにいられる企業は全体の30%程度とも言われています。
確実に起業を成功させるために、相談相手をしっかりと見つけておくことが大切です。
その相談相手の一例を紹介します。
起業する際に会社への相談は愚問!その理由とは?
起業する際に一番簡単に相談できそうなのは、元々所属している会社の関係者が思い浮かびます。
ですが、それはオススメできません。
まず第一に、その相談相手は自分で起業した経験がありません。
自分で起業した社長なら経験がありますが、相談するであろう上司などは起業した経験がないはずです。
その場合、イメージ上の回答になってしまいます。
机上の空論ってやつですね。
起業を成功させるために必要なのは、実際に起業の経験がある方からの実用的なアドバイスです。
それが成功例であれ失敗例であれ、そこから学ぶことがあります。
ですが、未経験者からのアドバイスは実用性がなく、それを参考にして成功するのは難しいです。
確実に成功させたいのなら、実用的なアドバイスをしてくれる相手を選びましょう。
僕も20歳の頃、起業をする時にマーケティングや経済などの大学の講義を受けたことがありましたが、全く身にならない経験をしました。
その後、実際に経営をしている方から教わる機会がありまして、半年ほどで実務経験を積んで起業することができました。
起業するなら信頼のできるところに相談しよう!けどどこに相談すれば良いの?
起業のアドバイスをもらう際には、経験があるなど実用的なアドバイスをしてくれる相手を探すことが重要です。
では、実際に実用的なアドバイスをしてくれるのはどのような方たちなのでしょうか。ここでは一例を紹介したいと思います。
〈商工会議所や商工会に相談しよう!その理由とは?
商工会議所は全国各地に500か所以上あります。
ここでは地域密着型の中小企業の支援を行っています。
その一環として創業者支援として、創業に関する窓口相談、創業支援融資、創業セミナーなどを行っています。
創業に関する窓口相談では起業に必要なものや、行っていくうえで想定される問題やその対処法などを相談することができます。
経営・金融・税務・法律・労務・貿易・技術問題など多方面の視点から専門家がアドバイスをしてくれるため、自分では気づきにくいことも話をすることができます。
これらの相談は無料でできるところが多いです。
創業支援融資では、事業企画書を提出し、審査を通過することで融資を受けることができます。
一例をあげると、東京商工会議所では、原則無担保で最大2,500万円の融資の斡旋を受けることができます。
創業セミナーは起業塾などという名前で行われることもあります。
形式としてはゼミナール形式や講義形式のものが主体です。
ゼミナール形式では、少人数でディスカッションなどを通して起業における問題点を掲示し、解決策を全体で共有するようなものになります。
講義形式では、テーマごとに起業ノウハウや必要な知識を解説してもらえます。
商工会議所で行われるセミナーの中には女性専用といったものもあります。
これらは全国商工会議所女性会連合会が主体となって女性の起業を支援しています。
こうした支援が受けられ、起業しようとしている地域に沿った相談ができることから、商工会議所は相談相手としてオススメです。
すでに起業をして実績のある人に相談しよう!その理由とは?
起業の相談相手として、起業の実績があるという人はおすすめです。
起業経験のある人の経験談には、起業における問題点の解決策や、危険を回避しているなどのヒントが詰まっています。
商工会議所などでの相談では、手続きや法律などについては確実に答えてもらえますが、起業した人の生の声であるとは限りません。
実際に起業をした人の生の声を聴くことで、実際に起業をしていく中で起きてしまう思いがけない問題や、起業を経験したからこそ気を付けなければならないと感じた点などを聞くことができるかもしれません。
失敗談などを聞けても、自分は同じような場面に合った場合に失敗を回避するヒントになるでしょう。
ただし、気を付けなければならないのは、起業において主体となるのは自分自身でなくてはならず、丸投げになってしまわないようにしなければいけません。
実績のあるコンサルタントに相談しよう!その理由とは?
起業する際の相談相手として、コンサルタントに依頼するという方も多いのではないでしょうか。
これもオススメです。
実績のあるコンサルタントは、実際に起業相談を受け、起業させるという経験が豊富です。
起業に関する経験という面を見れば、これ以上ない相手であると言えるでしょう。
それまでのコンサルタントの経験から必要なアドバイスや重要なスキルやノウハウを受け継ぐことができます。
デメリットとしては、自分主体でしっかりと学ばなければ、コンサルタントの手から離れたとたんにうまくいかなくなってしまう場合などもあります。
また、先に挙げた2つと違い費用もかかるため、事前準備が必要となり、条件によっては難しい場合などもあるでしょう。
各種専門家に相談しよう!その理由とは?
起業する際に、各専門家と契約し、アドバイスを受けるといいでしょう。
ここでは、税理士、行政書士、司法書士を紹介します。
税理士と契約を結び、相談する場合には、まず第一に対外的な信用が高まります。
決算書や税務申告などを行う場合、自分自身で行ってもいいのですが、税務の専門家である税理士の手によるものだと信用性が増します。
また、税に関して適時アドバイスを受けることができます。
また、頻繁に税法が変わるため自分で税務を行う場合、それらを知り、こまめに対処しなければいけませんがこれらを税理士に任せることができます。
行政書士に関しては、契約書などの作成を依頼することができます。
行政書士は役所などに提出する申請書類の作成や提出代理などを行う国家資格者です。
また、起業時に資金に余裕がない場合などには融資や助成金を受ける際に、創業計画や経営計画の策定の支援などを受けることもできます。
司法書士は不動産や企業の登記の専門家というイメージが強いかもしれませんが、法務に関してサポートしてくれます。
特に起業時には定款の作成時に会社に合わせて作成することができます。
それにより、起業後に定款の変更などを行うことが少なくなり、それに伴った機関変更や役員変更といった手続きで発生するコストを削減することができます。
また、起業後も企業法務についてサポートを受けることができます。
これらは契約に伴いコストも発生するため、現状との相談は必要です。
よろず支援拠点に相談しよう!その理由とは?
よろず視点拠点は、国が起業者や中小、小規模事業者のために全国に設置した経営相談所になります。
多様な分野に精通した専門家が在籍していて、アドバイスや問題解決のために必要な支援機関などを紹介してもらえます。
利用する場合には、電話・メール・FAX等で予約を行い、実際にヒヤリングで相談を行います。
相談後もフォローアップしてくれ、問題解決の中で新たな問題が生じた場合にも対応してもらえます。
これらのサービスを何度でも無料で受けることができます。
日本政策金融公庫に相談しよう!その理由とは?
日本政策金融公庫は、起業者及び起業後間もない人向けに、経営に役立つ情報を提供しています。
ホームページ上では創業の手引きや、業種別に創業時のポイントや創業計画書の記入例などが公開されています。
起業者向けに経営ノウハウや創業企業の事例などを提供するメール配信サービスもあります。
相談に関しては、電話相談やビジネスサポートプラザにおける来店相談、商工会議所や支援機関での出張相談なども行っています。
相談はもちろん、さまざまな資料やサービスを受けることができるためオススメです。
起業の相談をする際に気を付けておいた方が良いこととは
実際に自分が起業するとなった場合に、誰かに相談するというのは重要なことです。
ですが、いくつか注意点もあり、それらを意識しておかないと起業に失敗してしまうきっかけになるかもしれません。
まず第一に、起業し、ビジネスを行うのは自分自身であり、自分に合ったものを考えることが大切です。
相談などによって成功例などを聞くことも大切ですが、それをそのまま行うだけでは意味がありません。
相談によって得た知識やノウハウを自分の起業に合ったものへと変えていかなければなりません。
人によって資金やビジネスの内容なども違います。
相談によって得た知識を活用することが必要です。
また、生じた疑問や問題は些細なものでも対処することが失敗しないためには必要です。
初めての起業なら、起業については初心者です。
自分では些細なことだと思っていても、いざとなってみれば重要なことにつながるかもしれません。
失敗の可能性を減らすためにも、多くの相談などのサービスが受けられるうちに、積極的に利用しましょう。
まとめ
起業における相談相手を紹介してきました。
専門家に直接会い、相談したりするのは、最初は敷居が高く感じるかもしれません。
ですが、起業というのはどんな方にとっても重大な決断になります。
敷居が高いからと相談しないだけで、成功するはずだった起業が失敗してしまうかもしれません。
起業の成功を手に入れるためにも、相談できる相手をみつけ、受けることのできるサポートを活用し、不安や不明な部分を解消して起業を成功させましょう。